「血糖値が高い」と言われたら… 下げる方法は?

2022年7月24日

donut

「健康診断で『血糖値が高い』って言われたんだが、症状もないしそのままでも大丈夫だよね?」あなたもそんなふうに思っていませんか?そのままにしてたら、大変なことになってしまうかもしれませんよ~

みなさまこんにちは。管理人のジローニです。
健康診断で「血糖値が高い」って言われた方、結構いらっしゃるんじゃないですか?「自分だけは大丈夫!」って思っていても、数値は正直ですからね~(笑)。これから何回かに分けて患者様からよく質問される内容を中心に書いてみようと思います…


血糖値とはナニ?高いってどういうこと?

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血糖値とは字からもわかるように「血液中の糖がどれくらいあるかという数値」です。
そのままでしたね~。でもこれだけだとちょっと寂しいので、少し追加で説明を…

普段、食事をすると胃などで消化を受けて食べ物は細かく分解されます。それが小腸を通じて体内に吸収され、体を動かすエネルギー源となったり、体を構成する成分になったりします。この時のエネルギー源が「グルコース」=「糖」です。
通常であれば血液中の糖が高くなると、ホルモンの働きで余分な血液中の糖は肝臓や筋肉、脂肪細胞に取り込まれて血糖値が下がるような仕組みになっているんですよね~。
しかし何らかの原因でこの機能が働かず、基準値よりも血糖値が上がってしまうと「血糖値が高い(高血糖)」と呼ばれる状態になるのです。


血糖値の正常値は?なんで検査をするの?

ではこの血糖値の正常値について見てみましょう。
早朝空腹時:110mg/dL未満
ブドウ糖負荷2時間:140mg/dL未満 (ブドウ糖75gを水に溶かしたものを飲んで、2時間後に測定)
この検査では血液1dL(デシリットル)中に何mgのグルコースが含まれているかを見ています。
どちらか一方でも超えてしまうと血糖値が高い状態となってしまうんですね。

doctor

ん?dL(デシリットル)ってなんか聞いたことあるけど、何だっけ…?
はい、そんなあなたのために小学校の時のおさらい!
1dL(デシリットル)=100mL(ミリリットル)=0.1L(リットル)
つまり血液100mL中にグルコースが何mg含まれているかっていうことですね。
小学校以来、使うことは無いと思っていた「dL(デシリットル)」。こんな所で再会するとは…(涙)

あと、基準値が「自分がもらった検査結果に書かれているものと違う」と思った方いませんか?
実は糖の数値に限らず血液検査の方法によって基準値が異なることがあるんです。
実際、自分も「隣の病院」と「大学病院や広域病院」の両方に通っている患者さんの検査結果を記録するときに困っちゃうんですよね~。
ですので、検査結果の横に書いてある基準値を参考にするようにしてください。

さあ、この血糖値何のために検査をしているのでしょうか…
通常は「現在の栄養状態」を表しているのですが、基準値から外れることで「ホルモンの分泌異常」の可能性を疑うことがあります。甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモン、そして糖尿病に関係するインスリンなど沢山のホルモンが血糖値に関係しています。そのような異常を発見する第一段階として血糖値の検査が行われているんですね~


空腹時でも血糖値が高いのはなぜ?

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先ほどのホルモンのうち、ほとんどのみなさんに関係してくるのがインスリンだと思います。このインスリンの「出る量が少なくなっている」もしくは、出ているのに「効きが悪くなっている」ため、血糖値が高い状態から下がりにくくなっているのです。だから朝ご飯を食べずに(空腹時)健康診断へ行ったはずなのに血糖値が高いのです。

ここで、なぜ「インスリンの出る量が減る」かなのですが、「食べ過ぎ」や「間食が多い」など常にインスリンが多く出ていると、インスリンを出す膵臓という臓器が疲れてしまい、インスリンを出す量が減ってしまうんです。
そうですよね、自分たちもずっと働きづめだと疲れちゃいますもんね…。
そして運動不足や肥満が原因で、今度はこのインスリンの効きが悪くなってしまうんです。

つまり、「食べ過ぎ」や「肥満」→インスリンの「出が悪くなる」「効きが悪くなる」→『血糖値が上がる』に繋がっているんですね~

血糖値の上昇をおさえるにはどうしたらいいの?

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さあ、この血糖値はどうやったら下げることができるのでしょうか…
もうお分かりの方がほとんどだと思いますが、基本は「食事」と「運動」です。
中でも食事の「内容」「量」と「食べ方」で血糖値の上昇をおさえることができるんです。

白米や小麦、イモ類など炭水化物、そしてみなさん大好きなスイーツ類が血糖値を上げる食べ物の代表格です。トータルのカロリー数も大切ですが、ご飯はお茶碗軽く1杯まで、麺類は大盛にしないなど、「炭水化物の量を減らす」ことで血糖値を下げることができます。
ここで注意することは、「極端な炭水化物抜きは良くない」ということです。炭水化物などによって得られた糖は体を動かすだけでなく、脳を動かす事にも使われます。そのため頭がボーっとしたり、気力が出なかったりとあまりいいことはないので気をつけましょう。


そして食べ方ですが、「ゆっくりと食べる」ようにしましょう。お仕事をされている方などは特に、忙しさのせいで早食いとなり、それが習慣化している方もいます。一気に食べ物が入ってくることでインスリンもたくさん分泌され、糖の吸収が早まり、結果的に血糖値の上昇スピードやピークの山が大きくなってしまいます。
「一度に口の中に入れるのは少量」にして、「30回よく噛む」。それを「飲み込んでから新しく口の中に入れる」。たったこれだけなのですが、それがなかなか出来ないんですよね…。
特に言われるのが「30回嚙んでいたら、何食べてるかわかんなくなるよ…」確かにそうなんですよね。だから「ご飯」なら「ご飯」、「おかず」なら「おかず」と別々に口の中に入れるようにすると、少しはそれも気にならなくなると思います。噛むことで消化酵素でもある「だ液」が分泌されたり、脳の活性化にもつながるそうですよ。
あと「カレーは飲み物」という名言(迷言?)もあるそうですが、カレーライスや麺類ってスルスルって入っていきますよね。これなどもよく噛んで食べるようにすることで血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

最後に運動ですが、食後60分くらいが血糖値のピークになるので、それに合わせてウオーキングなど軽めの運動をすると良いでしょう。そうすることで血液中の糖が消費されて、血糖値を下げることができます。
このとき、食後すぐに運動したり、時間をあけても運動内容が激しかったりすると腹痛が出たり、嘔吐してしまうこともあるので注意してください。


以上、血糖値について健康診断で高いと言われた方に書いてみました。みなさんにもっともっとお伝えしたことがあるのですが、今回はここまで…
続きも書いてみようと思いますので、お楽しみに!
みなさまのお役に立てれば嬉しいです。